「せんせい」の事務


好きじゃなかった事務


ぼくは事務があまり好きじゃなかった

だって子どもに何かを教えることとは別のしごとだから

それでもていねいにはやってきたつもりだけど

やっぱりどこかで

せんせいのしごととはちょっと違うと思ってた

似たように思う人もいるんじゃないかな

ぼくだけじゃないように思う



でも今は、事務がけっこう好き

なんなら、せんせいであることを支える

大切なものなんじゃないかなとも思ってる

せんせいのしごとって

たくさんの事務的な行為でできている

それらをぼくは「せんせいの事務」とよんでいる

実は、何気ない日常の行為のなかに

「せんせいの事務」がたくさんある


たとえば、時間管理


たとえば、時間管理はせんせいの事務

学校は日課表をつくって、授業時間や生活時間を管理しているところが多い

きっちり時間どおりのせんせいも

ゆったりのんびりのせんせいも

せんせいによって時間に対する感覚はちがう

それでも、時間で区切った日課のなかで生活する以上

どうしても、時間管理はしなくちゃいけない

授業のなかのタイムマネジメント

子どもの休み時間

給食を食べる時間

登校時間に下校時間

放課後のしごと

もっといえば、ぼくらの通勤から退勤

次の日へ向けた、家庭での時間にいたるまで

ぼくらは時間でうごく

時間で日課を組んだ学校では

時間管理の事務は「せんせい」のしごとの大事な一つ

ぼくの中で

いつも「せんせい」の時計が動いてる

せんせいの事務

それは、子どもの学びの根底を支える行為

子どもたちが立つ、ゆたかな「学びの地平」を支える行為

ぼくが「せんせい」であることを支える行為

そう思うようになったころから

なんだか、ぼくは事務が好きになった




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